2011/03/01 の dcmodel ネットミーティングのメモ書き

参加者

  • 北大
    • 石渡 正樹, 杉山耕一郎, 山下 達也, 馬場 健聡
  • 神戸大
    • 高橋 芳幸, 納多 哲史, 今関 翔, 北野 太朗, 島津 通, 井谷 優花, 黒田 美紀, 河合佑太
  • 九大
    • 中島 健介

次回日程

  • 日時
    • 2011/03/22(火) 14:00-18:00
  • 場所
    • 神戸大 : 自然科学 3 号館 508
    • 北大 : 理学部 8 号館コスモスタジオ
    • 九大 : 理学部 3 号館 3605

火星会議の報告 (高橋(芳), 山下)

  • 概要
    • 正式名称
      • Fourth international workshop on the Mars atmosphere: Modelling and observations
    • 日時: 2011/02/8-11
    • 場所: パリ
    • 講演者
      • 口頭: 87
      • ポスター: 51
  • 講演の紹介
    • 近年の火星大気大循環モデルの進化
      • F. Forget et al. の講演
      • いくつかのステップで火星大気大循環モデルを進化
        • 観測される温度と合うようになる
      • ステップ
        • ダストの光学特性
        • ダスト分布・粒径の "semi-interactive な" 予報
          • ダスト分布と粒径を予報
          • ただし, ダスト量は観測値を使用
        • 水氷の考慮
        • 新しい乾燥対流パラメタリゼーションの使用
          • 乾燥対流調節では混ぜすぎる
      • ただし, ダスト循環と水循環を同時に計算すると水蒸気の分布・時間変化が観測結果と合わなくなるらしい
        • ダスト循環も考慮しなければ, 水蒸気分布は観測とそれなりに合う
        • LMD, Ames の両方のモデルで同じような状況
    • 火星の傾圧波動
      • P. Read et al. の講演
      • 火星の傾圧波動活動は, 真冬に弱くなる
        • (たぶん) 古くから知られている問題
        • 地球でも似たような現象があるらしい (中村尚さんとか)
      • モデルによって表現の程度が異なる
        • LMD の一番難しいモデル (氷雲の効果とかを含むもの) が一番表現がよいという話も
    • 火星のメタンの問題
      • M. Mumma et al. の講演の質疑応答
      • 火星大気中にメタンが発見され, メタン研究が流行った
        • 火星の生命がどうのこうのを念頭に置いているだろう
      • しかし, 実は 2 つの報告以来, メタンは火星大気中で検出されていないらしい
      • 光化学反応を考慮した火星 GCM による研究によると, 観測されるメタンの時間変化が再現できない
        • 考えうる様々なメタンの消滅過程を考慮しても上手くいかない
        • 考えてみると, 以前からモデルは観測とは合わないと主張していた (偉い)
      • 実際にメタンが火星大気中にあるのかどうか自体が疑問?
    • GCM と火山噴火モデルを組み合わせると言う話もあった
      • 噴火で大気中に供給されたダスト・水蒸気の輸送を計算
      • 噴火に関する条件(ガスの組成・噴煙の規模等)をどのように与えているのかが不思議
    • 全体的に再現計算が多かった
      • 1 つの理由として観測のデータが加速度的に増えてきたことが考えられる
      • 観測機器の精度向上・数値モデルの進化もそうした流れを作っているのかもしれない
    • 芳幸さんの神々しい写真が欲しい方は連絡下さい.

大気圏シンポジウムの報告 (納多)

  • 自身の発表
    • 質問されたこと
      • OLR や熱フラックスを一様化するのに循環が強くなるのはどうして?
        • 実際に, 質量流線関数の南北構造から, 太陽定数が大きくなると子午面方向の 循環が強くなっていることがわかる
          • この絵だけで比べたらいけないのではないか (石渡)
          • そもそも単純に循環が強くなっています, という言い方をしてもよいのかもわからない (石渡)
      • Joshi et al. も同じようなことをしていたがそれと比較するとどうか
        • 赤道にジェットができていたという点は似ている
          • 湿潤惑星と乾燥惑星の違いがあるので一概には言えない
          • 1 ケース似ているからと言って大雑把に似ているとはいえない (石渡)
        • 自転角速度 1/13 はあまり意味がない数字であることに気づいた
          • タイタン (1/16) にあわせたつもりだったがそうではなかった
    • 東西一様のときの日射と OLR
      • 帯状平均を行った OLR の分布を Ishiwatari et al. 2002 と比較
        • 実は, 定性的にあっていなかった
          • Ishiwatari et al. 2002 では太陽定数をあげたときに一様化したが, そうならなかった
            • 原因はわからない
            • 鉛直フィルタを入れてやってみてはどうか (高橋)
            • 全部 Ishiwatari et al. 2002 と同じ条件でやらないといけないのではないか (石渡)
            • 太陽定数の刻み方が足りない?
  • 他の人のセッション
    • 火星の静止衛星がほしい (小郷原さん)
      • 火星の dust storm が同時に発生している話がある
        • 火星にテレコネクションがある?
        • 複数個所を同時にモニタリングしなければいけない